幻の銘酒 百済寺樽の基本情報まとめ【販売店も紹介】

珍しい日本酒って飲んでみたいですよね。

このページでは、戦国の覇者織田信長の手によって一度は途絶えてしまった幻の銘酒「百済寺樽(ひゃくさいじたる)」を紹介します。

2017年に有志のメンバーの手によって復活した日本酒です。

お味や歴史ストーリー、そして購入方法などもまとめました。

女性にも評価が高いお酒です。

数量限定なので、いつ発売されるのかもチェックしましょう!

幻の銘酒 百済寺樽の基本情報

幻の銘酒 百済寺樽の基本情報

早速ですが、百済寺樽の基本情報です。

原材料名米、米麹
原料米滋賀県産玉栄100% 使用
精米歩合60%
アルコール分16度
製造者滋賀県東近江市池田町1129

価格は一升瓶2,750円(税込)、四合瓶1,375円(税込)。

こちらは、2020年秋に販売された百済寺樽の情報です。

毎年の米の状況や気候によって、発酵具合に変化があるため、アルコール度数は毎年少し変化します。

ただし、変化してもわずか1度程度です。

度数が気になる場合は、購入の際に裏ラベルやお店の情報でチェックしましょう。

百済寺樽の味について

百済寺樽の味について

百済寺樽は、いわゆる辛口のお酒になります。

ただし、辛すぎるわけではなく、スッキリした味わいになっています。

米の旨味や甘味が出ているので、中には甘く感じられる方もいらっしゃいます。

味わいはというと、食事の味を邪魔しない仕上がりになっているので、食中酒として楽しんでいただけます。

女性の方にも高評価をいただいている飲みやすいお酒なのです。

新酒はバレンタインやホワイトデーのプレゼントとしてもいいかと思います。

さらに、利き酒師の資格ももってらっしゃるプロジェクトメンバーのマドンナ的存在の

ほっぺふき子さん(@petit_co0)も大絶賛。

ほっぺふき子
香りは穏やかですが、カリンや糖蜜のような仄かな甘さが漂います。

温度帯による味わいの変化が大きいのも魅力。
冷やすと爽やか、温めるごとにまろやかになりますので、是非いろんな温度で楽しんでみて下さい。

コメントにあるように、面白いほどに温度帯によって表情が変わるお酒です。

いろいろ試しに飲んでみていただきたいですが、個人的におすすめなのはぬる燗です。

つまり、飲みやすい辛口のお味に仕上がっているのでお食事と合わせてお楽しみください。

幻の銘酒と言われた百済寺樽の歴史

幻の銘酒と言われた百済寺樽の歴史

百済寺樽のストーリーを知れば、より一層百済寺樽を美味しく感じられますよ。

なぜなら百済寺樽の歴史も百済寺樽の味だからです。

百済寺の濱中住職も、百済寺の歴史を感じてもらえる様なお酒だとおっしゃっています。

それでは次から詳しく説明していきます。

都でもてはやされた銘酒百済寺樽

百済寺樽は、百済寺の境内で仕込まれ、都でもてはやされた高級酒と言われています。

特に室町時代に飲まれていたことが分かっていて、寺が焼き討ちに合うまでは、よく贈り物にされていました。

なぜそれがわかるかと言うと、ちゃんと文献にも残っているからです。

『鹿苑日録』ろくおんにちろく(鹿苑院主の日記)

天文5年(1536年)8月6日

朽木殿来臨、瑞竹齋来臨、自新(進)藤新介井口爲使、持百済寺樽三荷、昆布、江瓜五籠、生干豆腐二十丁代来、永原太郎右衛門持百済寺二荷、麺、昆布、自身来

『蔭凉軒日録』いんりょうけんにちろく(鹿王院蔭凉軒主の公用日記)

文明18年(1486年)11月26日

等持寺春陽来云、一昨日自江州帰路、仍多和田庄、請取之、素望達之云々百済寺樽一双被恵之

このように、贈り先の文献に「百済寺樽」や「百済寺」「百済寺酒」などと記されています。地域の歴史学を研究されている一炊庵によると、2021年1月現在で文献に21回も百済寺樽が話題にされていることが分かっています。

中には公用の文章にも百済寺樽の記載があり、かなりの高級酒だったことが推測されます。

織田信長の強烈な愛憎により百済寺樽は途絶えることに

そのように都で、もてはやされた百済寺樽ですが、戦国の覇者信長の手によって歴史が途絶えてしまいます。

なぜなら、百済寺が焼き討ちに遭ってしまったからです。

百済寺を気に入り、生涯唯一の祈願寺とした信長。

なぜ自分の祈願寺を焼き討ちしたのでしょう。

実は信長が祈願寺にする前から、百済寺は六角氏との縁が深いお寺でした。

六角氏といえば信長と敵対勢力にある武将。百済寺はそれを分かっていながら、信長からの要望を受け入れ、さらには六角氏との関係を続けました。

そして、その隠し事はそう長くは続きませんでした。

信長に六角氏との関係が知れ渡り、1573年百済寺は全山焼き討ちにあったと言われています。

その時に百済寺樽の歴史も途絶えてしまったのです。

信長が愛した百済寺は信長の手によって、見るも無残な姿になってしまったのでした…

百済寺がどんなお寺か興味を持った方はこちらもご覧ください。

本堂の写真

百済寺樽が復活した理由

百済寺樽が復活した理由

百済寺は江戸時代に再建され、今では紅葉の名所百選に選ばれる名刹。

しかし、紅葉シーズン以外は来訪者が少ないのが現状です。

この状況を打破しよう!と、再び百済寺樽がスポットに当たることになります。

実に焼き討ちから444年の2017年のことでした。

酒米組合との一枚

ひとりの女性をきっかけに、地域の有志メンバーの手によって百済寺樽復活プロジェクトが立ち上がります。

プロジェクトには百済寺、百済寺酒米生産組合、JA湖東、喜多酒造株式会社が加わりました。

百済寺樽を復活させ、室町時代のようなかつての賑わいを取り戻すために走り出すこととなります。

また、地域外からもオーナーを募集し、百済寺樽を一緒に一からつくっています。

百済寺樽が復活してからは、百済寺樽プロジェクトに名前を変え、走り続けています。

百済寺樽が百済寺の歴史を語り、百済寺の反映に繋がることを願ってプロジェクトが進んでいるのです。

二代目百済寺樽はこんなお酒

二代目百済寺樽はこんなお酒

2017年に百済寺樽は復活し、再び脚光を浴びることとなりました。

味については先に紹介しましたが、その背景にある百済寺樽への地域の想いを紹介します。

今回の百済寺樽は二代目

2017年に再び世に戻ってきた百済寺樽は二代目の百済寺樽です。

つまり、信長の焼き討ちまでの百済寺樽とは違う味になります。

なぜなら、お寺の全てが焼き払われてしまったため、どんな味だったか?どんな製法だったか?そういった文献が残っていないからです。

わかっているのは、2つだけ。

  • 百済寺樽を仕込んでいた甕が百済寺の駐車場から出土したこと
  • 贈り物として使われていたこと

つまり、はっきり言えることは、手土産として使われ、都で愛されていたことだけなのです。

このことを踏まえ、百済寺樽復活プロジェクトのメンバーで検討に検討を重ねる日々。

議論の末、2代目の百済寺樽として現代の方に愛されることをコンセプトにすることに決めたのでした。

室町時代に造られていたお酒に味を寄せることも可能でしたが、それはみりんのような味になってしまうのです。

つまり、今の清酒とはかけ離れた味…

それでは初代のように愛されることは難しいと判断したのです。

ようするに百済寺樽は444年の時を経て進化をし、現代に戻ってきたということなのです。

百済寺樽のラベルは御酒印

百済寺樽のラベルは大きく真ん中に「百済寺樽」の文字が入っており、一際目につきます。

百済寺樽の文字は御酒印
御朱印ではなく御酒印

お寺や神社がお好きな方は、ピンときたかもしれません。

そう、このラベルは御朱印をモチーフにしています。

中央「百済寺樽」の文字は濱中住職が書かれました。

また、右手には奉盃。 これは、御朱印では通常「奉拝」と書きますが、お酒ということで、「拝む」を「盃(さかずき)」に変えて文字っています。

左下は百済寺の公式ロゴです。

もちろん、百済寺にはこのような御朱印はございません。

これが百済寺樽の御酒印なのです。

地域では神事に百済寺樽が登場する

百済寺樽は、地域の伝統行事にも登場するようになりました。

地域では神事に百済寺樽が登場する

度重なる火災から身を守りたいという想いから始まった伝統行事「惣祈祷」の御神酒として百済寺樽は使われています。

この伝統行事は信長の焼き討ち後から始まった行事で、400年以上も毎年続いています。

毎年1月に百済寺の住職が集落に訪れ、無病息災、村内安全を祈る行事です。

五升のお神酒を住民で飲み干し、今年一年の健康を祈ります。

つまり、百済寺樽は住んでいる方にとっても特別なお酒となっているのです。

百済寺樽を飲んでみよう!販売店まとめ

百済寺樽を飲んでみよう!販売店まとめ

百済寺樽が飲んでみたい方に販売店をまとめました。

現在は、2月に生酒、9月にひやおろしと年二回販売しています。

数量限定の特別純米酒となるので、売り切れにご注意ください。

それでは早速販売店を紹介します。

インターネット

1番のオススメは公式サイトのインターネット販売です。

時期によりますが、購入するとプレゼントがもらえることもあります。

現在、2月に販売される生酒の予約販売も行っているのでチェックしましょう。

今回は予約特典で百済寺樽のおちょこが手に入ります。

※2021年2月10日売り切れました

百済寺

紅葉シーズン限定ですが、百済寺でも販売しています。

百済寺の参拝と合わせると、ご利益がありそうですね。

販売されるのはひやおろしのみですが、百済寺限定のワンカップ (180ml)もあります。

その他百済寺樽の酒粕や関連商品も販売されます。

11月上旬〜約1ヶ月間のみの特別販売です。

紅葉狩りと合わせてお楽しみください。

酒販店

滋賀県内にお住まいの方であれば酒販店に買いに行くのもいいと思います。

県内に約20店舗の酒販店にて販売されていますが、一番品揃えがいいのはあいとうマーガレットステーションです。

道の駅 あいとうマーガレットステーション
住所527-0162 滋賀県東近江市妹町184番地1
営業時間9:00~17:30
※5月~11月の土日祝は9:00~18:00
定休日毎週火曜日、12/31、1/1
※夏休み期間と11月は休まず営業
HP道の駅あいとうマーガレットステーションのHPへ

建物がいくつかあるのですが、正面中央の本館にて販売されています。

こちらもなくなり次第終了となりますので、なるべく早めにお越しください。

時期によっては、館内施設のジェラートショップRaptyにて酒粕ジェラートの販売もあります。

見つけた際はぜひとも食べてみてください。

販売数が多いので直接買いに行く場合は、道の駅あいとうマーガレットステーションがおすすめです。

まとめ

室町時代より復活した二代目百済寺樽についてまとめました。

その裏側にある歴史を知ってから呑むとより一層美味しくいただけます。

販売店は以下となります。

  1. インターネット
  2. 百済寺(紅葉シーズン限定)
  3. 滋賀県内の一部酒販店

数量限定の販売となりますので、売っている時期に注意してお求めください。

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ABOUT US
藤田 彩夏合同会社グリーンラボラトリー 代表
地域住民と地域活動に取り組み、合わせて自治体や企業の農林漁業分野のコンサルティング事業も展開。百済寺樽プロジェクト発起人および代表。 生産地である農村部と消費地である都市部を繋ぐ取り組みと得意とし、マルシェの企画運営も行っています。